『夜に駆ける/YOASOBI』の原作小説がゾッとした!【意味が分かると怖い曲】

小説を音楽にするユニットYOASOBI。
Spotifyのお勧めから聴いてみたのですが、とにかく「なんか深い!」と一言でした。

どの曲も素晴らしく、見事に小説の世界観とマッチしていたのですが
中でもサブイボ(鳥肌)が出る程ゾッとした曲が『夜に駆ける』。

曲の最後で楽曲のタイトルを補完するような
世界観の深み全開のヤバい曲ってかなりあると思いますが
個人的にBUMP OF CHIKENの『K』以来の衝撃でした。

とりあえず1回聴いて、原作を読んで、もう一回聴いてほしい。
そして本気でゾッとしてほしいです。

まさに、聴く文学。

まずは『夜に駆ける』だけ聴いてほしい!

おそらくYOASOBIの『夜に駆ける』について前情報がないって方は
ただただ「なんか儚い感じの曲」と言う印象を持つと思います。

最初に書いた通り「小説を元に」とあれば話は別ですが
メロディーがなんか好き、声が透明感あっていいねとか
歌詞に込められた意味、世界観まで深堀りはしないでしょう。

MVもなんか色鮮やかでいいなぁなんて語彙が崩壊してて
これまさしく「エモい」ってやつなんじゃない?

とりあえず目でMVを、耳でメロディーを単純に聴いてみた
その後に「言葉」の恐ろしさを知ってほしい。

『夜に駆ける』の原作小説『タナトスの誘惑』って?

『夜に駆ける』の原作小説『タナトスの誘惑』はmonogatary.com
と言うサイトにて掲載され、最後まで無料で読むことが出来ます。
この小説自体も文字が少ないのでサラッと読めました。

自分は聞いたことのないサイトだったのですが
ソニーミュージックエンターテイメントが運営していて、商品化もされた作品もあります。

さて、『タナトスの誘惑』ですが、厨二病を拗らせた方や
ゲームでなんとなく「タナトス」と言う単語を目にした事はあるでしょう。
ギリシャ神話の死神で心理学的に言う「死に向かう欲動」。
ここで初めてゾッとしたのだけれど、歌のテーマが死とは!

『タナトスの誘惑』あらすじ

主人公はブラック会社で働く青年。
「さよなら」と彼女からLINEがくるのですが、この手の内容は4回目。
彼女は自殺願望があるらしく、彼女と出会ったのもマンションの屋上だった。

彼女は「死神」が見えるらしく、それは理想の姿形だそうで
「死神」を見ている彼女に嫉妬していた主人公。

そんな彼女の行動に「疲れてしまった」主人公が
感情的になり「僕も死にたいよ!」と。

その言葉を聞いて彼女は笑った。

彼女は止めて欲しかったのではなく
連れて行きたかったのだ。

そして二人は夜に駆け出した。

あらすじと言うか、これ全文じゃない?
と言う程の抜粋なんですが、全体的にヤバくないですか?
MVの二人の関係性に深みが出てきて違う感じになりましたね。

以上を踏まえた上でもう一度『夜に駆ける』を聴いてみてほしいです。

『タナトスの誘惑』を読んだあとの『夜に駆ける』の歌詞に震えた!

原作小説『タナトスの誘惑』は物語を多く語っていないので
読み手とって様々な解釈ができるなと印象を受けました。

物語のキーワードを抽出すると
「僕 彼女 死神 死」だけなんですが。

Ayaseさんの解釈で作詞された『夜に駆ける』の歌詞とノスタルジックなMVの破壊力。
それからボーカルのikuraさんの透き通った声。
何度も聴いていられるんですが、テーマの重さになんかこう
「いけない事をしている感じ」になっているのは自分だけではないはず。

では原作小説を読んだ後、改めて聴き直した鳥肌ポイントをまとめてみます。

「僕」の不器用さがなんか怖い。

いつだってチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
触れる心無い言葉うるさい声に
涙が零れそうでも
ありきたりな喜びきっと二人なら見つけられる

騒がしい日々に笑えない君に
思い付く限り眩しい明日を
明けない夜に落ちてゆく前に
僕の手を掴んでほら
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々も
抱きしめた温もりで溶かすから
怖くないよいつか日が昇るまで
二人でいよう

いい歌詞なんですけどね、怖い!
飛び降りるのを止めている必死な感じと希望を持って生きてほしいと解釈ができますが
「二人でいよう」が猟奇的に思えて逆に怖い。
「僕」がそこまで彼女にすがる理由は一体何なのだろう?

さてここから一気に救われない展開が胸を締め付けるんですよね。
彼女はだってね…。

「終わりにしたい」からの怒涛の展開。転調ズルい!

もう嫌だって疲れたんだって
がむしゃらに差し伸べた僕の手を振り払う君
もう嫌だって疲れたよなんて
本当は僕も言いたいんだ

ほらまたチックタックと
鳴る世界で何度だってさ
君の為に用意した言葉どれも届かない
「終わりにしたい」だなんてさ
釣られて言葉にした時
君は初めて笑った

2番の「君は初めて笑った」にこの曲の恐ろしさの全てが詰まってて
完全に語彙を失くしたわけなんですが。
語彙を返してください死神さん!

それまでなんとか希望を持って彼女を励ましたり
喜んでもらおうとしていた「僕」でしたが
ついに「疲れてしまった」わけですね。
しかし、元々疲れていたのは彼女の方だったことを忘れてはいけない。

そして彼女が死神に魅入られている感じがするのですが、
ほんとゾッとした!まさに死神を盲信していると。
生きる世界が違う人間にはどんな言葉をかけてもどう足掻いても無駄なんだと。

完全にメンタルを削ぎにきている!
貴様ッ…!スタンド使い(死神)かッ!!!

で、そこから「騒がしい日々に…」と続くんですが
ここにきて転調…。しかも下がってるなんて!
大サビに向かうのに下がるこれもう、アカンやつやん!

最後の転調と比喩だらけの大サビ!意味がわかると本当に怖い。

さあ、クライマックスですよ皆さん。
解っていても絶対に怖くなる大サビです。

変わらない日々に泣いていた僕を
君は優しく終わりへと誘う
沈むように溶けてゆくように
染み付いた霧が晴れる
忘れてしまいたくて閉じ込めた日々に
差し伸べてくれた君の手を取る
涼しい風が空を泳ぐように今吹き抜けていく
繋いだ手を離さないでよ
二人今、夜に駆け出していく

どこから解釈すべきか難しいですが、全部に比喩があるように思いますね。

変わらない日々に泣いていた僕=
変わらない日々は彼女との日常含む「僕」の生活

君は優しく終わりへと誘う=
死神が「僕」の人生を終わらせるべく手招きしている

染み付いた霧が晴れる=
「僕」が死神を視た瞬間。
原作では「やっと…気づいてくれた?」と言う彼女。

涼しい風が空を泳ぐように=
彼女とともに身を投げている比喩。

二人今、夜に駆け出していく。=
駆け出していく程のスピードで、落ちた。

しかしこの大サビ、転調のせいで
ある意味清々しくも思えるんですよね。
以下、『夜に駆ける』を聴いてみた自分なりの考察です。

『夜に駆ける』の世界観考察とまとめ

『夜に駆ける』を聴いてから原作『タナトスの誘惑』を読み
もう一度聴いてみた自分なりの解釈で考察です。

あくまで一個人の考察ですのでどれが正解とか
いいや、違うね!といった批判的な意見はお控えください。

そもそも「僕」に彼女なんて居なかった説。

結構大胆な予想ではあるのですが、裏付けとして
「出会った場所」と原作の一文。
「死神は、それを見る者にとって一番魅力的に感じる姿をしているらしい。
いわば、理想の人の姿をしているのだ。」

歌詞と紐付けると「初めて会った日から僕の心の全てを奪った」
しかし歌詞には出会った場所が描かれていませんので、ダメ押しの原作の一文を。
「今のようにマンションの屋上で…。」

この状況、何だかおかしいと思いませんか?

「何で、屋上を見てたん?」
たまたま偶然にしてはどうでしょう?
自分の場合ですが自分のマンションの屋上を見るって言う状況は
かなり稀だと思ったからです。

さて、考察の結論です。

主人公「僕」はブラック会社で働き独り寂しく生きていた。
ある時、この世界が嫌になり飛び降りを決意するが、「彼女」が居た。
しかし「彼女」を説得してこの世に留め付き合うことに。

しかし「僕」の心はすでに完全に壊れていて
「生きたい希望」と「自ら死ぬ」の瀬戸際で「彼女」と言う偶像を生み出した。

「彼女」はまさに自分の理想の姿だったが「彼女」こそが「死神」だった。
「彼女」に生きる希望を見出すもすでに遅く「僕」は「死神」に憑かれていた。

「もう疲れた」と言ってしまった矢先、「彼女」は初めて笑った。
その瞬間、この世に対する未練が全てなくなり
「僕」は清々しい気持ちで「死神」に手を引かれた。

と言った感じでしょうか?
原作が短い作品なので様々な受け取り方ができると思います。
MVも最後まで見るとなぜ彼女が「死神」なのかも
分かると思いますし、2番のあたりから舞っている蝶も重要なファクターになっています。
少なくとも5回以上聴き直してください。
どっぷりハマれます。

ああ、それと…。
もしもあなたの理想とする存在が突然現れたら、気をつけてくださいね。

それでは。

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